渡嘉敷集落の水田地帯。
いかにもハブが生息していそうな環境。
さらに、滞在3日目には日中大雨が降り、夕方には止み、晴れ間が。
ハブがよく行動する条件となった。
夜になり、田んぼ脇の小道を車で走っていると・・・
さっそく現れた。
琉球の生態系の支配者、ホンハブ。
「サーペンターX」と名付けた、沖縄衛生研究所監修本格ハブ捕り棒で、支配者ハブにアタック。
捕らわれてなお、人間に対しまるで下等動物を見るかのような眼差しを向ける。
人間を殺傷する力を持つやっかいな存在でありながら、1万年もの間、人間に駆逐されずに畏れられてきた、琉球の支配者としての余裕か。
サーペンターXは、挟んだままヘビを固定できる仕組みになっており、
じっくり観察できるので便利。
ただひっかけるだけのスネークフックとは違う。
また、先端が鋭利ではないので、蛇を極力傷つけずに扱うことができる。
レンズ数センチまで近寄る。
もちろんカメラを一脚につけて・・・。
固定して置いておいたら、ハブがサーペンターXを攻撃しはじめた。
動かず、温度も感じられない金属のハブ取り棒を、自分の自由を奪うモノときちんと認識し、的確に攻撃をヒットさせてくるあたり、ただのニブイ爬虫類という印象はない。
ハブに出会うと、明らかに人間の存在をとらえて様子をうかがったり、射程圏に入ると猛攻撃をしかけてきたり、そのうちすっと引いて藪に入って行ったり・・・
こちらの行動に合わせて、色々と判断しているように感じる。ハブはヘビとしては知性が高い方であると感じる。
出たね、ラスボス。
大型の爬虫類に遭遇するとやはり畏怖の念を隠しきれないね。
海外に目を向ければコブラやガボンアダー、ダイヤモンドガラガラ、マンバなど大きな毒蛇はいくらでもいるけど、我が国ではホンハブが一番デカイからなぁ。
しかも、頭部の模様といい、背中の模様といい、クリームイエローの下地に対し綺麗だね。
ホンハブの知性に関しての記述は興味深いね。確かに国内の蛇の中では体躯がデカイ分、知能が高そう。
わたしが飼育した蛇の中で頭が良いなと感じたのはレティックやベーレンなど3〜4m以上になる大蛇だった。外的な刺激に対する反射的な反応だけではなく、彼らはちゃんと思考してんだよね。仔犬ぐらいの知能はあったと思うよ。
毒蛇の知能はまたニシキヘビたちと違うように思う。なんというか、毒を有するようになった奴ら特有の知性というかね…まあ…良くはワカランけど、とりあえず毒牙を相手に打ち込んで一旦離れるかと、とりあえず咬んだあとは全身で巻きついて絡まって簀巻きにして全力で締め付けるかの問題だよね、頭使うのは。
だけど、先述したニシキヘビが仔犬のような知能を持つケースとは明らかに違うよね、毒蛇の場合は。
攻撃に特化した知能というか…。
…が、しかし、そもそも毒蛇が毒を有している理由は攻撃のためなのかね?
それともタンパク質を溶かす消化液で獲物の内外から同時に消化吸収できるという効率性のためなのかね?
海蛇みたいな神経毒は消化吸収を助ける役割はなさそうですな。
毒を打ち込むことで獲物が死に、食べやすくなることが理由だろう。彼らはどうも無毒の蛇みたいに獲物には絡みつきたくないみたいだから尚更か。
いずれにせよ、毒蛇はその他の蛇たちとはかなり違った思考パターンがありそうだ。
Godspeedさん
沖縄にいくまで、ハブには特別な興味はありませんでしたね。世界を見れば、もっと大きく強毒を持つ毒ヘビはいますから。ですが、ハブ属としては島嶼化で破格の大きさになったこと、肉食獣のいない島でアカマタとともに生態系の頂点を担っていること、威嚇無しのいきなり攻撃の恐怖は世界のヘビでもいないこと、琉球空手や大島紬など、沖縄・奄美の文化に与える影響・・・など、ストーリーを見ても、日本のヘビでは最も特別な存在と思い、好きになりましたね。見た目も良く見ると世界のヘビと渡り合えるくらい美しく鮮やかな黄金ですしね。
ホンハブの知性については、学術的な記述は見たことは無いのですが、僕の印象ですね。うまくいえないのですが、ジュラシックパークのラプトルみたいな感じ?。
アオダイショウはシマヘビやヤマカガシよりも知性を感じますが、ハブはさらにその上を個人的には感じます。もっと調べたいですね。
毒蛇って、ただ毒を打ち込むだけで、昆虫的な本能に頼った生き物に感じられますが、クサリヘビ科は、ヘビの中でも最も新しく現れたグループで、毒牙の効率的な構造からもわかるように特殊化も進んでいるとすれば、まあ進化が必ずしも知性を向上させるわけではないにせよ、意外に知性の高い生き物かもしれませんね。
ニシキヘビは、飼育されたバーミーズなんかも、名前呼ぶと犬のようにやってくるなんて話も、ホントかわかりませんが、聞いたことありますしね。
大抵、近い種であれば大型の種の方が知性は複雑になりますもんね。
毒蛇の、出血毒メインの種は、もともとはたんぱく質を分解して消化効率を高めることが目的だったみたいですね。ヘビにとっては、知性も運動能力も歯も強力な哺乳類を殺すのって大変ですから、哺乳類殺しのために毒を進化させたのでしょうね。ピット器官とともに。
巻きつきは反撃を食らう可能性があるから、遠くから毒牙を打ち込むのは、非常に効率的な殺し方ではありましょう。
相手がカエルなんかだと、毒の打ち込みは行わずいきなり飲み込みますし、まきつき系もそうですよね。相手が攻撃力を持たないイージーなカエルであるということを認識しているのでしょうかね。
沖縄駐在の元米軍人の知り合いがイギリスの有名な爬虫類フォーラムで使用してたハンドルネームが「HABU」だった。
彼とはプライベートでもメールをやりとりする仲だったけど、「世界中のジャングルや砂漠、サバンナなどに駐屯したけど、俺にとって一番魅力的で美しく、格好いい毒蛇はハブだ」と言ってたことを思い出すよ。
世界には幾何学的な模様が美しいガボンアダーやライノセラスアダー、シャンシャンシャンシャンと神主のようにうるさく大きな尾を振る邪悪な顔つきのダイヤモンドガラガラ、横だけでなく縦にも分厚く無骨で大きな頭を持つヨロイハブ、目玉の上の角がファンタジーなサンドバイパー、相手の目を目がけて毒を吹き付けるドクフキコブラ、50mを9秒台で走るブラックマンバ、その他世界中の毒蛇の8割だっけ?強毒蛇だらけのオーストラリアでも世界一の猛毒蛇(海蛇を除く)と恐れられるタイガースネークなど、スター選手級のホットスネークら(海外では毒蛇のことを”Hot”と呼ぶことがある)がウジャウジャいるのに、極東の小さな島の毒蛇を気に入り自らのHNにしたのかは良くわからんが、駐在した時に相当印象に残ったんだろうね。
“Habu”という響きとともにね。
調べてみたら、ハブは在日米軍沖縄駐留部隊らにとっても脅威で、「HABU(もしくはHAVE)は彼らにとって日常的な単語らしい。そしてアメリカ空軍でも、HABUまたはHAVEは偵察機、戦闘機などのコードネームになってるらしいね。
キミがいうように、沖縄の文化に深く根付き、現地に住まう国内外の人々に強く存在感をアピールしてるね。
ハブは、現代では、特に沖縄ではそれなりに医療も充実しているから死亡率は低いでしょうけど、大きさゆえの毒量、攻撃性やリーチは侮れないし、人家近くに住んでいるというのが脅威なんでしょうね。いくら怖い毒を持っていても、奥深い森や砂漠に住んでいるヘビは人間への被害は少ないでしょうから。
沖縄駐留の米兵は、森の中で訓練行ったりするでしょうし、そりゃ恐怖でしょうね。ハブは、島という独特な環境で、他に強力な哺乳類の捕食者もおらず、王者の雰囲気があり、お知り合いの軍人さんはそんな雰囲気に魅せられてるのかもしれません。
米軍といえば、トランプさんが大統領になり、これからどうなるのか気になるところです。
日米同盟に亀裂が入り、中国の海洋進出が強硬になり、県知事も左翼系ですから、最悪のケースでは沖縄が中国に侵略されてしまうのではと…。
昔なら杞憂に過ぎなかったわけですが、今の世界情勢からすれば、けして無視できない事態です。
しかしトランプも、どこまで有言実行できるかわかりませんがね。
そういう懸念はあるのですが、僕は一方で、どう時代が変化していくのかはとても見ものだと思うし、時代の変化の波に乗る者、流される者がどう出て来るかは注視したいですね。僕はある意味仕事柄、資本主義の厳しさから逃れてる立場にはありますが、自分もいつ影響受けるかわかりませんしね。
とまれ、沖縄が中国に支配されたり世界遺産になったりして、デジハンできなくなるのが今の一番の心配事ですけどね