世界遺産・西表島の生き物。イリオモテヤマネコやカンムリワシ、ハブ、トカゲ類などについて解説。

2021年7月26日、奄美大島、徳之島、沖縄島北部(やんばる)とともに、世界自然遺産に登録された、沖縄県・西表島。

西表島には、ジャングルやマングローブ林など豊かな生態系があり、そこには独自の生物進化をとげた、多くの希少な固有種が生息しています。

筆者は、これまで西表島に何度も足を運び、西表島の生き物を観察・写真撮影してきました。

この記事では、主に筆者が西表島で出会い、撮影した生き物たちの中から、西表島の代表的な生き物や、旅行者の自然体験ツアーでも比較的出会いやすい生き物をピックアップして解説しています。

世界自然遺産・西表島

西表島の位置地図と航空写真

西表島は、沖縄本島(那覇市)から南西約440kmにあり、石垣島や与那国島などと同じ「八重山諸島」に属する島です。

島全体が密林に覆われており、沿岸にぽつりぽつりと集落が点在します。それらの集落をつなぐ周遊道路が東半分の沿岸に沿って通っていますが、島のほとんどが山。日本屈指の秘境です。

西表島の位置
西表島の航空写真

西表島、先島諸島・八重山諸島の生物地理

西表島は、先島諸島にある島で、八重山諸島の島でもあります。

西表島の生き物たちには、その種名に「ヤエヤマ〇〇」「サキシマ〇〇」とつくものが多くいます。これは大まかに、八重山諸島に棲むのか、先島諸島全体(宮古諸島・八重山諸島)に棲むのか、によってつけられています。さらに、西表島だけに棲むものは「イリオモテ〇〇」になり、琉球列島全体に棲むものは「リュウキュウ〇〇」になる、といった具合です。

しかしその棲息範囲は、必ずしも諸島の名称からつけられた種名と一致しているわけではありません。例えばヤエヤマセマルハコガメは、八重山諸島のうち西表島と石垣島にはいますが、与那国島にはいません。正確に把握するには、種別の生息地をそれぞれ調べる必要がありますが、多数の島がある琉球列島の生き物の生物地理を把握するのに都合がよくわかりやすい和名がつけられていることが多いです。

水域の豊かな島、西表島

西表島の広大な密林は、豊かな水域をはぐくみます。

沖縄最長の川・浦内川(うらうちがわ)や仲間川をはじめ大小無数の川が流れ、山にはピナイサーラの滝やマリユドゥの滝、カンピレーの滝などの名滝、河口には日本最大のマングローブ林があります。

これらの水環境と、それに支えられた豊富な植物たちが、西表島の大自然を形成しています。

西表島の広大なジャングル
仲間川

次項からは、そんな西表島の自然に棲息する生き物の中で、代表的な種や比較的よく出会う種をいくつかピックアップして紹介していきます。

哺乳類

イリオモテヤマネコ

発見と進化

西表島を代表する生き物といえば、イリオモテヤマネコ。

1965年(昭和40年)に発見され、大きな話題となりました。

発見当時は、その原始的と思われる特徴から「メタイルルス族(サーベルタイガーのなかま)の生き残りか?」などと騒がれましたが、現在ではアジアに広く分布するベンガルヤマネコの亜種とされています。

氷河期に海面が低くなり大陸と繋がった際に大陸から渡ってきた祖先となるヤマネコが、最後の氷期(ウルム氷期 約7万円前~1万年前)で海面が上昇し、大陸から西表島が切り離されたことで西表島に取り残され、イリオモテヤマネコになったのです。

実は、宮古島でも2万年前のヤマネコの化石が見つかっています。

このヤマネコの化石とイリオモテヤマネコとの近縁性はまだわかってませんが、氷河期で地続きの時に大陸から渡ってきたヤマネコたちが、氷河期が終わり西表島、石垣島、宮古島などの島々に取り残されたものの、西表島においてのみ生き残ることができたのかもしれません。

特徴と生態

イリオモテヤマネコは、西表島の生態系の頂点です。一見すると普通のイエネコのようにも見えますが、耳が丸く、しっぽの先が太いので、かなりイエネコと印象が異なります。

また頭が大きく、頭骨や犬歯はイエネコと比べてずっと頑丈なつくりをしています。

そして、ネコなのに水を恐れるどころかむしろ好み、水辺でよく狩りをします。

また、ネコ科動物が好まないカエル類をよく食べることも、イリオモテヤマネコ特有の特徴となっています。

西表島の動物のほとんどがイリオモテヤマネコの獲物となり、ネズミやオオコウモリ、鳥、トカゲ、ヘビ、カエル、エビ、カニ、昆虫など、何でも食べます。

イリオモテヤマネコに会うには

イリオモテヤマネコに会うのは、数日の一般的な旅行ではなかなか難しいです。

特に、森に入って見つけることは非常に困難です。人の気配を感じたら、ヤマネコは逃げてしまいます。テレビや図鑑のイリオモテヤマネコの映像・写真は、カメラマンや研究者が撮影するためにカメラをセットし何日も待ち構えることで実現しています。

しかし、運が良ければ、道路上にいる姿を見ることができるかもしれません。

リュウキュウイノシシ

体長は1m、体重50㎏ほどで、本土のニホンイノシシに比べると小型です(ニホンイノシシは大きなものでは体長1.5m、体重150㎏に達する)。

リュウキュウイノシシがニホンイノシシに比べて小型なのは、ベルクマンの法則(恒温動物は放熱量を調整するため、近縁種では寒冷地の種ほど大型、温暖な地域の種ほど小型になるという法則)や島嶼化(島に棲息する種は、大陸の種よりも巨大化または小型化するという説)が理由です。

しかし小型とはいえ、夜の観察の際にブヒーと威嚇されたり牙をカチカチされたりすると、かなり恐怖です。

ヤエヤマオオコウモリ

翼を広げると60㎝にもなる、果実や花を食べるコウモリです。特に夕暮れ時などに飛ぶ姿がよく見られますが、日中に活動することもあります。イリオモテヤマネコの餌のメニューにもなっています。

鳥類

カンムリワシ

カンムリワシ

特別天然記念物。環境省レッドリスト絶滅危惧1A類に指定される希少な鳥。絶滅危惧1B類のイリオモテヤマネコよりも絶滅危惧ランクが高い。

推定個体数は生息地の石垣島・西表島を合わせても200羽に届かないほどとされています。

しかし一方、西表島では結構見かけることが多く、周遊道路を車で走らせると、電線に止まっているカンムリワシを発見できます。石垣島よりも西表島の方が、よく見かけるように感じます。

カンムリワシという立派な種名がついていますが、大きさはカラス程度で、食べ物も動物の死体や爬虫類・両生類・昆虫類を食べるなど、本土でいうトビと同じような生態的地位にあります。

カンムリワシに出会うには、車で島を周遊して電線にとまっている姿を見つけるのが一番容易です。

島のどこにでも現れるので、単純にカンムリワシを見たいのなら、車でのんびりと島を周遊していれば、そのうち電線にとまるカンムリワシを見つけることができるでしょう。

また、見通しの良いトレッキングルートを歩いていると、木にとまっているカンムリワシに出会うことがあります。

写真を撮る場合は、やっぱり木にとまっているカンムリワシの方が絵になって良いですよね。

上の写真のカンムリワシは、水田地帯の木にとまっていた個体です。

カエルやヘビを餌にするので、それらの獲物が多く生息する田んぼ・湿地のあるような場所の木を探すと、木の上から獲物を狙っているカンムリワシに出会える可能性が高いです。

シロハラクイナ

西表島でドライブをすれば、シロハラクイナが道路を素早く横切る姿を何度も見かけます。

素早く走るのですが、水辺に棲息するクイナ(水鶏)の仲間なので、湿地を歩きやすくするため指が長く、道路を走るときは、どこかぎこちない独特のヒョコヒョコとした走り方をします。

警戒心が薄く車がかなり接近するまで逃げないでのんびりしているため、交通事故に遭い死んでしまった個体がよく見られます(というより、人間が車を飛ばすのが原因なのですが…)。

ヤンバルクイナほどのスター性は無いものの、シロハラクイナに会うと「沖縄フィールドに来たなあ」という気分にさせてくれる、愛すべき鳥です。

観察もしやすく、ヒナを連れた姿に会うこともあります。ヒナも足指が長く、親と同じく独特の歩き方で、なんともいえないかわいらしさがあります。

シロハラクイナの幼鳥

ムラサキサギ

日本では八重山諸島に留鳥として生息している大型で美しいサギ。田んぼや湿地にいくと、高い確率で出会うことができます。

爬虫類

セマルハコガメ

セマルハコガメ

国指定天然記念物。石垣島と西表島に棲息するのは亜種ヤエヤマセマルハコガメで、中国大陸や台湾には、亜種チュウゴクセマルハコガメが生息しています。

陸生のカメなので、林道などを歩いているとガサガサと歩いている姿を見かけます。春~秋の雨上がりによく見られ、条件が良いとたくさんの個体に会うことができます。

ハコガメとは、甲羅の下側が可動式となっており、それをフタのように閉めて甲羅が完全に身体を守ることができるカメの総称です。

セマルハコガメの天敵が襲ってきたら、頭や足を甲羅に引っ込めてぴったりとフタをし、完全防御することが可能です。

その防御法を触って確かめてみたくなりますが、天然記念物なので、捕獲はもちろん触れることも法的に禁止されています。

キシノウエトカゲ

キシノウエトカゲ

国指定天然記念物。西表島や石垣島、宮古諸島に分布。

大きな個体は全長40㎝にもなる、日本最大のトカゲ。体が太く重厚感があるので、全長の数値以上にボリューム感があります。

体が大きいので、キシノウエトカゲが動くと、大きな音がガサガサと聞こえます。観察のポイントは、トカゲの体が温まる前、夏なら午前中早い時間に観察することです。

足が速く非常に敏捷なので、体温が完全に温まって身体能力がベストな状態になると、目の前からあっという間に姿を消してしまいます。

森の中や海岸付近の林道などで見られますが、意外に集落の道沿いの草むらや藪などにもいます。

写真の個体は、宿舎からサンダルをはいてぶらぶらと朝の散歩をしていた時に出会った個体。

キシノウエトカゲにフィールドでなかなか出会えなかったら、集落の石垣や藪のある場所を、午前中早い時間に探してみると良いでしょう。

サキシマキノボリトカゲ

サキシマキノボリトカゲ

西表島・石垣島・宮古島とその周辺の小島に棲息しているキノボリトカゲの1亜種。「サキシマ」とは先島諸島のこと。

八重山列島と宮古列島を含めて先島諸島といいます。亜種に、奄美・沖縄諸島のオキナワキノボリトカゲ、与那国島のヨナグニキノボリトカゲ、台湾のキグチキノボリトカゲがいます。

イグアナのようなエキゾチックな見た目とは裏腹に暑さに弱いので、森の中など日陰にいます。森の奥よりも林縁部に多いようです。

日光浴をしたり、熱くなったら森に入ったり、林縁部は体温調節がしやすいためでしょう。林縁部には餌となる昆虫も豊富です。

近づくと、くるりと木の反対側に隠れてしまったり、木の高いところにダッシュで駆け上っていったりします。

夜のフィールドでは、葉っぱの上で寝ている姿をよく見ます。

天敵のヘビを避けて葉の上で眠る

これは、天敵のヘビが来たときに、葉っぱだと揺れやすくトカゲに振動が伝わり、気づいて逃げることができるからと考えられています。

サキシマカナヘビ

主に樹上にいる美しいカナヘビの一種。

日本最大のカナヘビですが、尾が非常に長く全長の8割近くを尾が占めます。

2020年に国内希少野生動植物種に指定され、採集・飼育・販売などが禁止されています。

それ以前は爬虫類ショップでも販売されており、1匹15000円ほどの高値がつけられているのをよく見かけました。

この種の減少の要因は、販売目的の採集圧も大きかったと思われます。これに似た緑色のカナヘビは他に、宮古島のミヤコカナヘビ、奄美群島・沖縄諸島のアオカナヘビがいます。

サキシマスジオ

日本最大級のヘビ。全長160㎝~220㎝、最大250㎝にもなります。

見た目は日本本土にいる大型のヘビ・アオダイショウに似ていますが、こちらはさらに長いです。

ただ、サキシマスジオはアオダイショウと比較すると細長い体形なので、全長の数値ほどのボリューム感は無いと感じます。

エサはネズミや鳥が主。食べ物の種類に加え、樹上性傾向が強いこと、サイズ感など、本土におけるアオダイショウの立ち位置にいる存在といえます。

体を温めるために道路に出てくることが多く、朝や夕方など気温が下がっている時に出てきやすいです。写真のサキシマスジオは道路上でカラスの集団に襲われていたのを、筆者が助けてあげた個体。

おおよそ全長180㎝くらいでした。

大型のヘビですが、無毒でおとなしく害はありません。ネズミを食べてくれるという点では、人間にとって有益なヘビといえるでしょう。

サキシママダラ

サキシママダラ

50~100㎝ほどの中型のヘビで、西表島では最もよく見かけるヘビ。八重山列島・宮古列島に棲息します。

主に夜行性で、雨が降ると、道路に出てきたカエルを狙って本種がぞろぞろと出てきます。カエルの他にトカゲ、ヘビなどを食べます。

顔が強面であやしげな模様をしていますが無毒。その顔立ちやマダラ模様からハブと間違われ殺されることもあるのですが、サキシママダラは無毒のヘビであるどころか、むしろサキシマハブの幼蛇をよく食べるヘビ…。

ハブ退治をしてくれるのに、ハブの濡れ衣を着せられて殺されてしまう、なんともかわいそうな存在です。

サキシマハブ

サキシマハブ

西表島、石垣島など八重山諸島に分布。

沖縄島や奄美大島に棲息するハブ(ホンハブ)と比べると、長さは半分ほど(60㎝~120㎝程度)で、ホンハブと比べて、毒量が少なく毒性も弱く性質もおとなしいので、ホンハブより危険性は低い。死亡例は1964 年以降の記録では 1979年の1人のみ(2021年現在)。

とはいえ、咬まれれば死亡する可能性はありますし、命が助かっても後遺症で苦しむ可能性もあるので、西表島でトレッキングや自然観察などをする際には十分注意した方がよいでしょう。

暑さに弱く、夜行性で、日中に出遭うことはほとんどないですが、草むらなどで隠れて休息していることがあります。

夜になると、林道でも舗装路でもわりとよく出遭います。気づかずに近づいて咬まれるのが危険なのであって、わざわざハブの方から襲い掛かってくることはありませんので、こちらから見つけたら触れずにそっとしておけば大丈夫です。

筆者は夜の西表島の森を歩く時は、サキシマハブよりも前述のリュウキュウイノシシの方が恐怖と感じます。

厚手のゴム長靴を装着すれば、足に関しての防御はほぼ完ぺきです。

西表の山に入る場合は、最低でもハイカットのトレッキングシューズは装備したいところ。くれぐれもサンダルで森を歩いたりしないように!

両生類

ヤエヤマアオガエル

石垣島と西表島に棲息する、大きさ4~6㎝ほどの綺麗な緑色のカエル。

水田や湿地周辺の森に棲んでおり、木の上やクワズイモなどの葉の上にいることが多いです。繁殖期は12月~3月なので、夏よりも冬から春にかけての方が見る機会が多いです。

泡状の卵塊を土や草むらに産卵します。

サキシマヌマガエル

後述するヤエヤマカジカガエルとともに、西表島では最もよく目にするカエル。

夜の湿地や田んぼにいくと大量のサキシマヌマガエルがおり、雨が降ると林道や舗装路などに大量に出てきます。

色や模様は色々なタイプがいて、茶色い個体、緑が入っている個体、背中に筋が入っている個体など、さまざまです。

ヤエヤマカジカガエル

夜のトレッキングでは必ずといっていいほど見ることのできるカエル。

日本本土にも、きれいな川などに棲むカジカガエルという声の美しいカエルがいます。

カジカガエルはメスは体長7㎝ほどになるわりと大き目のカエルですが、これに比べてヤエヤマカジカガエルはずっと小さく、3㎝ほど。

生息する場所も清流というわけではなく、湿った場所にはどこにでも現れるといった感じです。

湧き水や雨などで湿った道路上に大量に出てきたりします。

鳴き声は、本土のカジカガエルは「フィフィフィ」と鳴き、その声はとても美しく、江戸時代には「河鹿籠(かじかかご)」というかごにいれて声を楽しむ文化がありました。

ヤエヤマカジカガエルの声は、これとは全然違い「リリリリー」といった声。人によってはコオロギなどのような鳴く虫の声と思うかもしれません。

昆虫・その他

リュウキュウアサギマダラ

西表島で、一番よく見かける蝶のひとつ。

奄美群島から沖縄諸島まで、南西諸島全域に生息しています。幼虫は毒草ツルモウリンカを食べることで、毒をたくわえ、鳥などの外的から身を守ります。

オオゴマダラ

日本で最大級の蝶で、羽を広げると15㎝ほどになります。

沖縄県の県蝶。フワフワと優雅に飛ぶ姿を、島のあちらこちらで見ることができ、大型なのでとても見ごたえがあります。

森林の中など薄暗い場所でよく見かけます。ですが、リュウキュウアサギマダラほど多くは見かけません。

周年見られますが、成虫は特に7月くらいに多くなります。幼虫の食草は毒草のホウライカガミやホウライイケマなどで、この毒を体内に取り込むことで外敵から身を守ります。

アオタテハモドキ

写真はオスの個体。オスは美しく派手な青色をしていますが、メスは茶褐色で目玉模様が大きくなります(青色タイプのメスもおり変異があります)。

クロカタゾウムシ

「世界で最も固い昆虫」「人が踏んでもつぶれない」などと言われる、非常に硬い体を持ったゾウムシ。

少なくとも、標本にするときにピンは刺さりません。

しかし、そんな鉄壁の防御力の変わりに飛翔力を失いました。上翅を開くことができず、かつ後翅は退化してしまい飛べないのです。

大きさは体長15㎜ほど。

見た目はヒョウタンのような形の黒光りするボディで、なかなかカッコいい虫です。

そして、重厚な見た目に反し、素早くちょこまかと動く甲虫です。

ヤシガニ

ヤシガニ

海岸に向かう林道で見られます。アダンの木の実や死んだ生き物などを食べる雑食性。

夜、アダンが生える海岸沿いの林道などでよく見られます。たまに道路でひかれて死んでいる個体を見ることもあります。

ヤシガニはヤドカリの仲間で、足を広げると1m近くにもなる非常に大きな陸生甲殻類です。

ヤシガニは、ヤドカリの仲間らしく子供の頃は貝殻を背負っており、オカヤドカリと見間違えられることが多いです。

しかし成長すると頑丈な外骨格に覆われるので、殻に頼らなくてもほとんど敵のいない最強生物になります。

さらにハサミで挟む力がとても強く、最大級の個体では挟む力が300㎏と、ライオンの噛む力に匹敵するという研究結果もあります。

人間の指の骨など軽く砕いてしまうので、手を出さないように…。

寿命も長く、60年ともいわれています。その分、性成熟するも遅く、4年~8年ほどかかります。

つまり、一度、個体数が減ってしまうと、回復が難しい生き物ということでもあります。

乱獲、交通事故、外来種、温暖化…。

あらゆる要因から世界中で数を減らしている、最強でありながら儚くもある生物なのです。

おわりに:今後も西表島の生き物解説を充実させていきます

豊かな生物多様性を誇る西表島。

今後も、さらに西表島の生き物解説記事を執筆・追記していきます。

またこのページでは紹介しきれないくらい豊富な生き物が西表島には棲息しているので、以下の書籍をチェックしてみてください。

関連書籍・参考文献