日本最大級にして、日本最美麗種のカメムシと言われる、オオキンカメムシ。
集団越冬の個体群で、真冬、昆虫に会えなくてものさみしい昆虫愛好家は、このオオキンカメムシに会いに行くといい。カナブン並み大きさがあり、この派手な色彩。大変魅力的な昆虫だ。
触ってみると、ミカンのような匂いを出す。一般的なカメムシのイメージとは、においも見た目も大きく違う。
照葉樹林の葉の裏などで冬を越す。
この個体群は千葉県で撮影したもの。南方系の昆虫なので、関東より北の地域では、冬にお目にかかれない。集団越冬は千葉県南部の沿岸が北限だ。だから、首都圏に住んでいる場合は、冬、千葉南部の沿岸地域の照葉樹林を探すと、この集団越冬に出会うことができるかもしれない。
オオキンカメムシは、5月下旬以降は、全国的に見られる。北海道の内陸部ですら見つかる。繁殖は8月頃、アブラギリで行われ、幼虫はアブラギリの汁を吸って成長する。
秋に移動をはじめ、関東以南の海に近い地域の照葉樹林などに、全国から一同に集結する。だから、この迫力ある集団越冬が見られる冬こそ、オオキンカメムシを見るベストシーズンなのだ。
越冬集団は、翌年の5月には解散し、また全国へと散らばっていく。東北や北海道でも見られるのだから、相当な移動距離だ。
大型で美しいだけでなく、その生態も実に不思議で魅力的である。