宮古島の生物(ミヤコヒキガエルなど)

宮古島観光のついでに少し自然散策をした。海やリゾートホテルでのんびりするのが目的だったので、記録生物種は少ない。

宮古島は、西表やヤンバル・奄美等と比べると、畑が多く、開発が進みすぎているし、陸生生物的にはパッとしないイメージがあり、あまり行く気のしない島だった。
また、イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ、アマミノクロウサギ、のようなアイコン的代表生物がいないことも、生物の島というイメージが一般的にもない気がする。

しかし実は、爬虫類でいえば、ミヤコトカゲ、ミヤコカナヘビ、ミヤコヒバァ、ミヤコヒメヘビなど宮古の固有種がいるし、またキシノウエトカゲや各種ヤモリなどもおり、
意外にも爬虫類の宝庫だったりする。
両生類の分布は貧弱だが、生物地理学的にも興味深いミヤコヒキガエルに会うこともでき、けして無視できない島なのだ。

前述のとおり観光メインなので、フィールドにはほとんど入らないのだが(加えて、かなり体調が悪く観光もハードにはできずホテルでゆっくりしていた)、一種でも固有種に会えれば、という程度の気持ちだった。

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ミヤコヒキガエル。

宮古島固有種だが、エンカウント率は非常に高い。
行く前、宮古島のことは何も知らなかったが、何も生き物に出会わなくても、たぶんこいつには出会うだろうと予想していたが、その通りにたくさんの個体が道路に出てきていた。石垣島におけるオオヒキガエル並みか、それ以上によく見た。宮古島の保護条例で採集禁止だが、道路や公園に大量にいる。

ただ、繁殖期は9月から3月くらいとのことで、いつも沖縄に行く夏であればあまり見かけなかったのかもしれない。
道路ではたくさんひかれていた。
本土のアズマ・ニホンヒキガエルに比べると動きが素早くあっという間に逃げていくが、石垣島のオオヒキガエルほどではない。
本土のヒキガエルの鈍重さに見慣れていると、これらのヒキガエルの素早さには驚く。

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ミヤコヒキガエルの包接。

ミヤコヒキガエルは、大陸に住むアジアヒキガエルの系統で、琉球列島ではヒキガエルの仲間は本種しかいないため、かつては人為的に持ち込まれたものと考えられていた。しかし、更新世後期のミヤコヒキガエルの化石種が見つかったことにより、現在は在来のものと考えられている。

宮古島は標高が低く、海進で水没してしまったことで宮古の生物が全滅したとされており、それがハブの生息しない理由にもなっていた。
しかし、ミヤコヒキガエルの件もそうであるし、淡水性のミヤコサワガニが生息していることや、これまた周辺のカナヘビよりも台湾・中国のカナヘビに近縁のミヤコカナヘビが生息していることから、
宮古島水没説にも疑問が持たれており、古来から命をつないできた生き物たちの島とも考えられている。

一見、生物的に魅力を感じない島に思えるが、実は謎とロマンに満ちた島なのである。

両爬はミヤコヒキガエルしか撮影できなかった(撮影には失敗したが、クロガシラウミヘビも見た)が、以下は、その他の生き物たちをご紹介。

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アサギマダラ

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ツノメガニ

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ベニシオマネキ。
ハサミの大きさで競い合っています。

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オオオカガニ。非常に大きな陸生のカニ。

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ミナミトビハゼ

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キアシシギ
カニを捕えた。

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イソヒヨドリ

2件のコメント

おいおい、2015年のトップ画像のインパクトが笑えるw!
まさしくデジタルハンターだ。笑
しかし、ホンハブでかい!
次の瞬間食べられるのがオチのカメラマンはモンリヴェールくん自身?重装備だけど、この距離はヤラれるね。苦笑
オスに抱かれたミヤコヒキのメスはピンク色でなかなか可愛らしいなァ。色気がある。妙にHだ。
海の風景がバックのツノメガニの画像はちょい怒らせて、英国のバンド・Prodigy(プロディジー)の有名アルバム「The fat of the Land」のようにダイナミズム出しても面白かったね。参考画像: http://tokyomusicjapan.com/auction/AVCM65020.JPG
最後のイソヒヨドリの瑠璃色と赤茶色の絶妙な色彩にうっとり。

>Godspeedさん
この奄美大島の奥地に潜む山のヌシ・巨大ハブはハンターをまさに呑もうとしているのですが、ハンターの武器は、カメラに見えて、実は巨獣を狩るための砲撃兵器(キャノン砲・・ならぬニコン砲)なので、次の瞬間から、ハンター対モンスターハブの激しい死闘が始まります。…というか、そういう設定です(笑)
ハンター役はモンリヴェール自身が務めています(笑)。よいのがあればフリー素材でもいいのですが、無いので、わざわざ正月早々ハンターコスして入れ込みました。デジハンの元ネタでもあるゲーム「モンスターハンター」のジャケットによくある、巨大モンスターと戦うハンターの絵の、パロディ的なものであります。前からやろうとしてたネタなのですが、正直かなりお気に入りで、他のモンスターと戦うパターンも機会あれば作って行きたいと思います。
ツノメガニは、自分で撮りながらどこかでみた画像だなあと思ってたら、そうかプロディジーのあのアルバムのジャケ写でしたか!納得。
聞いたことはないのですが高校生のときにCD屋、音楽雑誌などで何度もみたジャケなので記憶は鮮明です。当時デジロックなんて言われてたジャンルでしたよね?たしか。あの頃はロックもポップも欧州はみんなテクノチックになっていた記憶があり、純粋なロックファンがそのムーブメントを批判するような光景がよく見られていたような…。
本州のヒキガエルも繁殖期には♀が赤っぽく変色したり、宮古ヒキも女性的なピンクになりますし、ヒキガエルな妙に情熱的なイメージのあるかえるですね。
ランチキ騒ぎして死者もでる、繁殖シーンを見ても…。