多摩川トライアングル

「多摩川トライアングル」とは、東京都の代表的な河川である「多摩川」と、その支流である「秋川」が合流する地点の通称のこと。

自然が豊かで、たくさんの生き物が生息している場所です。

NHK総合「ダーウィンが来た!」NHKBSプレミアム「ワイルドライフ」でとりあげられたことで、一気に注目度が高まりました。

筆者は多摩川トライアングルから自転車で10分ほどのところの居住しており、たびたび多摩川トライアングルに足を運びます。

この記事では、「多摩川トライアングルに行ってみたい」と思っている人向けに、地元の自然観察者である筆者が、多摩川トライアングルはどんな場所なのか、どんな生き物に会えるのか、多摩川トライアングルの位置や行き方などについて解説していきます。

多摩川トライアングルはどこにあるか

多摩川トライアングルは、Googleマップに地点登録されているようで、「多摩川トライアングル」というワードで検索すると、一発で出てきます。

東京都の中央部を流れる多摩川と、その支流である秋川の合流地点にある、三角地帯の河原が、通称「多摩川トライアングル」です(多摩川トライアングルまでのアクセスについては後述します)。

東京都の全体図と、多摩川トライアングルの位置
多摩川トライアングルの航空写真

どんな生き物が棲んでいるか

哺乳類は、ホンドタヌキ、ニホンアナグマ、ホンドキツネ、ニホンイタチ、ニホンイノシシなどが生息しています。

鳥類は、カワセミやサギ類ような水辺の鳥がよく見られ、猛禽類ではトビやノスリがよく見られ、運が良ければオオタカ、ミサゴやハヤブサなどが見られます。

その他、ヘビやトカゲ、カエル、昆虫類、魚や水生生物など、あらゆる生き物が生息しています。

哺乳類には簡単に会えないが、鳥の観察はしやすい場所

テレビ番組の印象では、野生動物たちが次々と現れる場所に思われますが、哺乳類に会うのはそう簡単ではありません。

哺乳類は基本的に夜行性で、警戒心も強いので、なかなか人の前に現れません。

番組ではプロカメラマンが、特別な設置許可を受け自動撮影カメラなどを駆使して、長い期間かけて撮影したうちの一部の貴重な映像なのです。

テレビで見た可愛いタヌキやイタチに会いたい、と思って行くと、がっかりすることになるでしょう。

しかし河原で見通しがよく開けているので、鳥の観察には良い場所と言えます。

また、昆虫類も豊富なので、春~秋にかけては昆虫の観察にも向いているでしょう。もちろん魚や水生生物も豊富です。

レジャーには向かない河原

一方、トイレなどが無く、また自然保護の必要がある環境なので、バーベキューなどをするような場所ではありません。

トライアングル地帯に入ると、きちんとした道はなく、進むのも苦労します。

一応、人の歩いたところが道のようになっているのですが、ヤブこぎ(草やヤブをかきわけること)をしないと進めないところが結構多く、背の高い草が行く手をはばみます。

また、アメリカセンダングサ(服にトゲトゲの種が大量にくっつく草)が大量にあるので、ヤブこぎをしたあとはズボンがセンダングサの種だらけになります。

「マムシ注意」の看板もそこかしこにあります。

河原は広く、全体的に背の高い草に覆われていて、人がかろうじて歩ける道も迷路のようで、深入りすると軽く道に迷います。

「かわいい動物や自然を満喫する」「綺麗な風景を堪能する」といった場所ではなく、草と石だらけの場所。

一般的な家族やカップルがレジャーとして楽しめる場所、とはいいがたいです。

観光気分で行くと、期待外れになるかもしれません。

自然観察と冒険の地

多摩川トライアングルは、草におおわれた、人間を寄せ付けない野生動物の聖地。

河原といっても、実際は「ジャングル」と言えなくもない場所です。

実際NHKの番組でも、この地で動物撮影を行い出演されていたカメラマンさんが「多摩川ジャングル」とも呼んでいました。

トライアングル内の行きたい地点に行こうと思っても、間違ったルートから入ると、草や森、水域にはばまれて進行できなかったりします。

地図を確認しながら、動植物をそっと観察したり風景を撮影したりしながら、三角地帯を「踏破」し、知的探求心を満たすことが、多摩川トライアングルの楽しみ方といえましょう。

多摩川トライアングルへの行き方と駐車場

筆者は地元民なので自転車で行けますが、遠くからアクセスする場合、車や電車で多摩川トライアングルにアクセスするのは少々面倒といえます。

電車で行く場合は、最寄り駅のJR青梅線・西武線拝島駅から約3km弱、徒歩30分以上もかかります。

トライアングル周辺の路線には「立川バス」「西東京バス」のバス停もあり、拝島駅からこれらのバス停に通じているので、電車とバスを使って行くという方法もあります。

車で行く場合、近くに駐車場などはありません。

Googleマップで「周辺の駐車場」を表示してみましょう。

最も近い駐車場は「多摩川緑地福生南公園」の駐車場となります。ここは車80台とめられる広い駐車場ですが、ここはあくまで「福生南公園利用者のための駐車場」です。

福生南公園よりも東の住宅地に有料駐車場がポツリポツリとあるので、これらの駐車場にとめて、睦橋(むつみばし)をわたって、渡り切って多摩川西岸についたら、河原沿いを歩いて、多摩川トライアングルにアクセスすると、多摩川トライアングル北側の玄関口から入れます。

「多摩川トライアングルの北側にみえる住宅地に車が停められたらアクセスしやすいのでは?」と思われるかもしれません。

しかしここには駐車場はありません。

路駐しようとしても、この住宅地はパトカーの巡回が多く、すこしでも停車すると警察官に声をかけられたりすることもあります。

駐車場が少ないため、この辺りに路駐する人が多いからでしょう。この住宅地に路駐してアクセスするのはやめた方が良いです。

多摩川トライアングル対岸の「福生南公園」「昭島市水鳥公園」

対岸に多摩川トライアングルをのぞむことができる「多摩川緑地福生南公園」。

広い駐車場があり、アスレチックや遊具もある、親子連れには最適な公園。水あそびのできるじゃぶじゃぶ池、ビオトープ(生物生息空間)などもあります。

その上、公園から河原に歩いてすぐに行けます。

公園から川に通じる道があり、河原から多摩川トライアングルを見ることができます。

鳥類は、多摩川トライアングルと同じような種類が見られ、鳥観察スポットとしてもおすすめできます。

また、こちらは無料のバーベキュー(要予約)も用意されていますので、一日遊べるレジャースポットになっています。

「魔境・多摩川トライアングル」はハードルが高いと思われた方や、小さいお子さん連れの方は、まずはこの福生南公園を拠点として考えてみるのも良いかもしれません。

福生南公園側から多摩川トライアングルをのぞむ

また、福生南公園をさらに下流側に少し歩くと、「昭島市立 水鳥公園」があり、ここからも多摩川トライアングルを眺めることができます。

その名のとおり、水鳥公園付近には、アオサギやダイサギ、カワウなどの水鳥がとても多く、ノスリやトビが空を舞っています。

望遠レンズを持った鳥観察者もよく見られ、「水鳥公園」の名の通り、鳥観察にとても良いスポットです。

ただ、この公園には専用の駐車場がありませんが…。

多摩川トライアングルの南端を、昭島水鳥公園側からのぞむ

まとめ

さて、多摩川トライアングル地元民の筆者の経験から、多摩川トライアングルに行ってみたい人向けにざっくりと紹介してきましたが、まとめると、

  • 生物が豊富だが、テレビ番組のように哺乳類に会うのは難しい
  • 鳥を観察するのには向いている
  • 自然観察や冒険を求める人向き
  • 子連れ家族やカップルのレジャーには、トライアングルを見渡せる対岸の「福生南公園」をおすすめ
  • 駐車場はなく、アクセスは簡単ではない

といった感じです。

今回はおもに多摩川トライアングルの簡単な概要とアクセスについて書きましたが、実地を踏破し深堀したフィールドレポートも今後アップ予定です。

それでは、自然環境や野生動物に配慮し、事故に気を付けながら、実際多摩川トライアングルを訪れ、ご自身なりの楽しみ方を見つけてみてください。