ニコン NIKKOR Z 24-70mm f4 S nikonを5カ月使用した感想。マクロ性能は意外と高評価。

ニコン NIKKOR Z 24-70mm f4 S導入

ニコン NIKKOR Z 24-70mm f4 S
ニコン NIKKOR Z 24-70mm f4 S

私はニコンの一眼レフカメラは2008年から使っており、生き物を中心に撮影しており、また仕事では7年ほど人物や風景、イベント等をニコンの一眼レフで撮影してきました。

そして、初のフルサイズミラーレス、ニコンZ6+ NIKKOR Z 24-70mm f4 Sレンズキットを購入し、約半年ほど使用したので、その使用感を記事にしたいと思います。

NIKKOR Z 24-70mm f4 Sは、ニコンのミラーレスの新マウント「Zマウント」のレンズで、価格の安さやコンパクトさから、各方面から高い評価を得ている銘玉です。

画質

f4のいわゆる「小三元」と言われるランクのレンズで、f2.8の大三元レンズに比べると下位のシリーズになるのですが、各所レビューで大絶賛ですので、ここでは詳しく書きませんが、とにかく価格帯から考えたら、非常に描写力・表現力に優れたレンズと言えます。例えば、このヒキガエルの写真は70㎜域で撮ったのですが、ボケがちょうどよい感じです。小動物などを撮る際、被写体をくっきり浮かび上がらせながらも、周囲も嫌味なく自然に入ってきています。

接写能力

注目したいのが、接写能力。最短撮影距離0.3mと、決して驚くほど寄れるレンズではないのですが、例えば2019年発売の大三元レンズNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sは、最短撮影距離が0.38mと、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S と比べて8cmもよりも寄れないのです(最大撮影倍率はf4が0.22倍、f2.8が0.3倍)。明るさや描写はもちろんf2.8の方が勝るでしょうが、虫や花などを撮るネイチャーフォトグラファーには、それ以上に寄れることが大切だと思います。

最短撮影距離0.3mは、被写体からこれくらいの位置になる
幅・高さ約5cmほどのインクボトル風鉛筆削り(最短撮影距離)
ニホンカナヘビ
絞り値f/7.1 露出時間1/400 ISO-100 焦点距離70mm
絞り値f/16 露出時間1/1000 ISO-1250 焦点距離24mm

他社のレンズに比べると接写は弱いかも

一方、他社のレンズを見てみると、フルサイズミラーレス機のライバルともいえるLマウントレンズのPanasonic LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. S-R2410が、最大撮影倍率が0.5倍と、ハーフマクロの性能を持ちます。最短撮影距離は0.3と同じなれど、こちらは105㎜までズームができるので、大きく写せるんですね。

また、単焦点レンズですが、ハーフマクロといえば、これまたニコンZのライバルとなるフルサイズミラーレスレンズCANONのRFマウントレンズ RF35mm F1.8 マクロ IS STMが、最短撮影距離0.17mの最大撮影倍率0.5.倍という接写能力を誇ります。

ニコン機にこだわりがあるのなら、現状Zマウントではマクロレンズが無いので、24-70f4の接写能力はありがたいですが、ミラーレスレンズにおける接写性能は、この2レンズが上でしょう。個人的には、画角と接写能力でいえば、ネイチャーフォトに便利なのはLUMIX S 24-105mm F4かな、と思います。

とはいえ、NikonZ 24-70 f4は、無理をしていない設計だからこそ、これだけ高評価の描写が得られるのかもしれません。

マウントアダプター

FマウントレンズをZマウントボディにつけるためのマウントアダプターFTZが別売またはボディとのキットで購入できます。アダプターをつけると画質やAFに影響があるのではないかという懸念をされている方もいるかと思いますが、実感として画質やAFに影響が無いどころか、手振れ補正がついた分、Fマウントレンズがより使いやすくなった、とも言えます。

ただそれは、これまでの一眼レフ機と比較した場合のことであって、やはりZにはZマウントをつけたいものです。FTZをかませるとその分かさばるようになるのはもちろん、手振れ補正もZマウントレンズを装着した方がより効くし、またFマウントレンズを装着した際にはAF駆動音がするので、動画を重視するならこの点はネック。

手振れ補正

大変優れており、Zマウントのボディ+レンズを付けると5.5段分の手振れ補正で、片手で持ってもほとんどブレません。

Zレンズではなくても、FTZを介して、60㎜f2.8Micro、300㎜f4PFに装着してみたのですが、特に300㎜f4PFにおいて、すさまじい手振れ補正能力を発揮しました。

300㎜という望遠域でありながら、被写体が完全にピタッととまります。300㎜f4PFは、もともと一眼レフに着けても非常に強力な手振れ補正を発揮していたのですが、Zマウントに着けると最強の手振れ補正能力を体験できます。

動画撮影

ニコンが「動画に強い」イメージはこれまで全くなかったのですが、zの動画性能は優秀です。

一眼レフ機の時は、動画機能はあってもAFの遅さや切り替えの面倒臭さ、手振れ補正が無いことから、緊急用以外使う気が起こらなかったが、ミラーレスになり、優秀な手振れ補正やライブビュー撮影のやりやすさ、動画撮影に入る手間の少なさから、かなり頻繁に動画を撮るようになりました。

そして、一番動画撮影にありがたいのは、Zマウントレンズ装着時には、AF駆動音が動画にほとんど録音されないこと。一眼レフ用のEマウントレンズをFTZで使うと、動画にAF駆動音が入ってかなり気になります。

2020年に5G回線も導入され通信速度が速くなり、YouTube等動画もますます盛り上がり、これからは「動画の時代」と言われています。ますます一眼の動画機能が重視されてくると思いますので、動画に強いフルサイズミラーレスは、さらに今後注目されてくることでしょう。