今回は、iPhone15Pro MAXのカメラについての記事です。
2023年9月に発売されたiPhone15ProMaxは、光学5倍(120mm相当)の望遠レンズが採用されたことで、大きな話題になりました。
僕も、この5倍望遠を目的に、iPhone15proMax(ナチュラルチタニウム)を購入しました。iphone11ProMaxからの機種変で、発売日の予約購入です。
僕は普段はミラーレス一眼と望遠レンズやマクロレンズで鳥や虫などを撮影しており、サブ機としてコンデジ(コンパクトデジカメ)を利用していましたが、最近はコンデジの最新機種があまり出ないこと、iphoneでコンデジの役割ができたら便利だと考え、120mm望遠ができるiphone15ProMaxを導入してみました。
この5倍望遠は、個人的には導入して大変満足しています。その一方、好みがわかれるクセの強いレンズであるとも感じました。
本記事では、Iphone15のカメラを1ヶ月ほど使ってみて、5倍望遠レンズを中心に、標準・超広角レンズについて、気づいたことなどをお話しします。
目次(クリックで各項目にとびます)
望遠は予想以上に使える。
まず、望遠ですが、下の写真をご覧ください。
標準(1倍・24mm)では豆ツブのようでよくわからない川の向こうの家並みが、5倍(120mm)にするとかなりよく見えるのがおわかりかと思います。
遠くを撮る場合、2倍、3倍望遠の機種よりもずっと画質は良くなります。
デジタルズームも使うと最大で25倍(667mm相当)にもなります。iphone14は15倍なので、かなりの進化といえます。
デジタルズームというのは、ざっくりいうとトリミングしたものを引き延ばして画像処理したものなので、画質は荒くなるのですが、証拠写真程度には使えます。
また、遠くの看板を写した際に、文字などもかなり読める画像を得ることができます。
手ぶれ補正がすごい
特筆すべきは、手ぶれ補正のすごさです。
一眼カメラなどでは設定や持ち方など工夫しないとブレてしまうようなシーンでも、iphone15ProMaxの5倍望遠はブレずに撮れてしまいます。
これは、写真でも動画でも有効です。普通、カメラは望遠になるほどブレやすくなるのですが、非常にうまくブレを防いでいます。
焦点距離が長すぎる点は、人により好みも。
一方、使う人を選ぶ部分もあります。
それは、人によっては5倍望遠は、焦点距離が長すぎるという点です。
一応、iphoneカメラアプリ画面の倍率選択は「0.5倍、1倍、2倍、5倍」となっていますが、2倍は1倍(24mm相当)のデジタルズームです。
1倍を超え5倍未満の倍率は1倍のデジタルズームで対応しているのです。
つまり、光学2倍レンズを持つ機種、光学3倍レンズを持つ機種と比べて、画質においては不利になるのです。
例えば、前機種のiphone14ProMaxや下位機種のiphone15Proとくらべると、3倍〜4.99倍に関しては画質が劣るということです。このくらいの焦点域を多く使う人は注意しましょう。
5倍望遠はテレマクロ(望遠接写)性能が低く、虫の撮影には不向き
あと気をつけなくてはいけないのは、この5倍望遠はあまり近づいて撮影できないということです。
最短撮影距離は1mくらいと言われていて、個人的に実証してみたところ80cmくらいでした。
80cmまでは、撮影した写真のデータをみると、5倍レンズで撮影しているデータとなっているのですが、80cmより近づいて望遠5倍で撮影して、写真データを見てみると、1倍ズームのデジタルズームとなっています。
この、5倍と1倍のデジタルズームに切り替わるタイミングも時と場合によって違うようで、頑張れば80cmくらいまで光学5倍レンズで近づけますが、安全圏としては、1m以上離れた方が良いでしょう。
1倍デジタルズームは、前述したように画像を切り取って引き延ばして処理しているだけなので、一気に画質が落ちます。
なので、5倍望遠を撮影する時には、1mは離れて撮影した方が良いです。
つまり、iphone15ProMaxはテレマクロ(望遠接写)の性能は高くなく、昆虫などを撮影するのには不向きです。また「花にとまったチョウ」のような被写体は、背景にAFが合ってしまい被写体にピントがきません。
「20cm程度以上の大きさのものを、1m以上離れて撮影する」場合に、この望遠レンズは性能を発揮できます。
寄れるのは、0.5倍(14mm相当)
接写性能は、0.5倍の超広角レンズ(14mm)が最も寄れています。最短撮影距離は3cmくらい。
5倍レンズで80cm以内に近づくと1倍レンズのデジタルズームになり、1倍レンズでさらに近づくと、0.5倍レンズのデジタルズームになります。
鳥の撮影のシーンは限られる
望遠というと鳥が撮れそうな気がしますが、5倍(120mm相当)のレンズでは、鳥は多くのシーンで撮影が難しいでしょう。
大型かつそこまで警戒心の強くない鳥(人慣れしているサギやカモなど)なら撮れますが、小鳥類などは証拠写真程度になることがほとんどでしょう。
鳥を撮るなら、ミラーレス一眼と超望遠レンズ(最低でも400mm以上)を使った方が良いでしょう。
iphone15ProMax 5倍望遠レンズの総評
- 5倍望遠は、あらゆるものを記録するのが好きな人には非常に有効
- それほど広くない会場のイベントの撮影(保育園の運動会レベル)なら、iphone15ProMaxでほとんど対応できる
- 5倍望遠を必要としない日常シーンを撮るだけなら、前機種や下位機種の3倍ズームの方が画質面で若干有利
- 望遠マクロ撮影は苦手
やや欠点ばかり書いてしまいましたが、僕は生き物を撮る際のコンデジの代わりを、iphone15ProMaxに求めたため、一般の人とはやや感想が違うかもしれません。基本的には大満足です。
1倍から5倍と、光学望遠の画角変化が極端なことが問題ないなら、画質もよく手ぶれ補正が非常によく効く素晴らしいレンズです。