ツマグロキチョウ

ツマグロキチョウ

分布・生息環境

ツマグロキチョウは、日本では、宮城県以南の本州、四国、九州、屋久島に分布しています。日本以外にも、東南アジア、インド、オセアニアなどに広く分布しています。

生息環境は、平地から山地の河川敷や草地・荒地です。

ツマグロキチョウの生息環境

見られる時期

成虫は年3~4回ほど発生します。5月頃から発生し始め、11月頃まで見られます。夏型と秋型があり、夏型よりも秋型の方が大型で、越冬し翌年に繁殖をします。

食べ物

幼虫の食草はマメ科植物のカワラケツメイのみです。ゆえに、ツマグロキチョウはカワラケツメイが生えている場所に生息しています(近年では、外来種のアレチケツメイも食草となっています)。

成虫はカワラケツメイの花の他、ヒメジョオンやセイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサなどさまざまな花の蜜を吸います。

カワラケツメイ

ツマグロキチョウの外見

ごく普通に見られるキチョウとぱっと見ではわからないほどよく似ていますが、ツマグロキチョウは小型で、ややゆったりと飛びます。

また、以下の写真のとおり、キチョウと比べて前翅の先端が角張り、2本の灰色の斜めラインがが入ることなどの違いがあります。

ツマグロキチョウ
ツマグロキチョウ
キチョウ(キタキチョウ)

絶滅危惧種・ツマグロキチョウ

ツマグロキチョウは、かつては本州・四国・九州のいたるところで普通に見られたチョウですが、近年、個体数の減少が著しく、絶滅危惧種に指定されるようになってしまいました。

その理由は、食草であるカワラケツメイの生える河川敷が河川改修により減ってしまったり、また外来種の植物が進出しカワラケツメイの生息地を奪ってしまったことによります。

ツマグロキチョウは、環境省レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類としてリストアップされています。

また、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県といった関東地方では生息地がなくなっており、栃木県の一部にしか生息地が残っていません。

しかし、東京など関東各地でも単発的・一時的な発生はしばしば記録されています。