日本科学未来館「マンモス展」感想 取材レポート徹底解説!

目次

はじめに

2019年6月7日(金)~11月4日(月)まで、東京・お台場の「日本科学未来館」で開催している企画展「マンモス展」の初日6月7日に行ってきた感想を記述するので、興味のある方は参考にしてもらいたい。

この企画展は、主にロシア連邦サハ共和国の永久凍土から発掘された世界初公開を含む数々の古代動物たちの冷凍標本、冷凍標本から得られた組織を使って世界各国で研究が進む「マンモス復活プロジェクト」についての展示だ。

マンモス展公式サイト でも詳しく解説しているので、そちらも参考にしていただきたい。

「マンモス展」へのアクセス

マンモス展への行き方は、ゆりかもめで「東京国際クルーズターミナル駅」に行き、そこから徒歩で約7分。

ゆりかもめ・東京国際クルーズターミナル駅
ゆりかもめ・東京国際クルーズターミナル駅
日本科学未来館

注意事項

混雑状況

入口では、マンモス展の巨大ポスターが出迎える。

オープン15分前くらいから並んだ。初日なので長蛇の列ができていることも予想したが、4、5人しかいなかった。まあ平日(金曜日)なので、最初の土日が一番混雑するのかもしれない。

チケットについて

チケットは、当日券は1,800円。

前売り券(6月6日販売終了)を持ってる人から先に入場できる。

オフィシャルプログラム(冊子)は展示を見終わってから入手できる

ちなみに私は、オフィシャルプログラム引換券(展示についての冊子)つきの前売り券を購入。金額的に少しお得になる。

このプログラムは、展示を見終わったところにある、おみやげコーナーで引き換えできる。このコーナーで購入することもできる(1,800円)。

企画展の中は飲食禁止・トイレも無い

注意したいのが、マンモス展に入ったら飲食はできず、トイレも無いので、入場前に済ませておこう。マンモス展の入場口に近い場所にトイレがある。

一度出たら再入場できない

一度再入場できないので、途中でトイレに行きたくなって出てしまうと、また1,800円払わないと入れないので注意。

企画展内は一方通行

また、最初にスタッフさんから説明もあるが、逆戻りは禁止とのこと。

私の行った日は平日で空いており、館内も広いので、逆流防止については割とアバウトな感じで少しくらい戻っても大丈夫な雰囲気だった。

混雑時は逆戻りは厳しいと思うので、展示物を見る時は後悔の無いように見逃さないようにしよう。

写真撮影、ブログ・SNSにアップは基本OK!。動画撮影はNG。

スタッフさんに聞いたところ、マンモス展の展示物等を写真撮影することや、それをブログやSNSにアップするのはOKとのこと。

動画撮影はNG。

また、写真も動画も撮影禁止の展示物もいくつかあり、撮影禁止表示がされている。

外国人の方が結構おり、日本語がわからないのか、それともわかっていてやっているのか、平気で動画撮影していた…。

音声ガイド(600円)

企画展ではおなじみの音声ガイドもある。音声ガイドのマシンとヘッドフォンを渡され、音声対応した展示物に表示してある番号を押すと、解説してくれるというもの。

ガイド音声の時間はそれほど長くなく、コンパクトなものではあるが、展示の解説文に書いてある内容とは違う話も聞けるので、マンモス展をより深く堪能したい人は、試してみてもいいだろう。

永久凍土から発掘された仔ケナガマンモス「ディーマ」

さて、前置きが長くなったが、マンモス展の展示内容に入っていこう。

永久凍土から発掘された仔ケナガマンモス「ディーマ」
永久凍土から発掘された仔ケナガマンモス「ディーマ」

年代:40,000年前
発掘:1977年
発掘場所:サハ共和国北部 ウスチ・ヤンク地区スィアラアフ川流域

まず最初に来場者を出迎えてくれるのは、ケナガマンモスの子供、ディーマ。

1977年に完全体で発見され、日本にもやってきたディーマが、38年ぶりに来日。

ディーマは生前、泥沼にはまってしまい、短期間のうちに深い地中に埋もれ、そのまま永久凍土で保存されたため、肉食動物や微生物に食べられることもなく綺麗な状態で残った、と考えられている。

ケナガマンモスの骨格標本

チュラプチンスキーのケナガマンモス
チュラプチンスキーのケナガマンモス

年代:後期更新世
発掘:1991年
発掘場所:サハ共和国 チュラプチャ地区

肩までの高さが285cmの、30~40歳程度のオスのマンモス。チュラプチンスキーというのは発掘場所の地名。

非常に見ごたえのある立派な骨格で、写真映えもするので、これと一緒に記念撮影をしている人も多かった。

しかしこれは今回のメインではない。本展示は骨格よりも、永久凍土で保存された古代生物の状態の良い冷凍標本がメインの展示だ。

ケナガマンモスの牙(左切歯)

ケナガマンモスの牙(左切歯)
ケナガマンモスの牙(左切歯)

年代:後期更新世
発掘:2013年9月
発掘場所:サハ共和国 ラプテフ海海岸 ブオルカラフ川

ケナガマンモスの歯(上顎左第3大臼歯)

ケナガマンモスの歯(上顎左第3大臼歯)
ケナガマンモスの歯(上顎左第3大臼歯)

年代:後期更新世
発掘:2013年9月
発掘場所:ヴェルフネコリムスク地区 コリマ川

マンモスの体毛

マンモスの体毛
マンモスの体毛

マンモスの体毛に触ることができる展示もある。触った感触は、釣り糸のような感じだった。

触ることができるマンモスの体毛

マンモスと人間の大きさ比較

実物大のマンモスのシルエットが展示されているので、並んでみると、マンモスの大きさがわかる。見てわかるとおり、意外とマンモスは大きくなく、現代のゾウと同じか、むしろアフリカゾウより小型だ。

ただしそれは、本企画展で展示されている、最も有名なケナガマンモスの話であって、現代のゾウよりずっと大きなマンモスもいた。

興味のある方は「ステップマンモス」「インペリアルマンモス」「松花江マンモス(しょうかこうマンモス)」で検索してみるとよいだろう。

ゾウの仲間の大きさ比較。こうみると、ケナガマンモスは意外とこぶりだったことがわかる。しかし、一番左のトロゴンテリーゾウ(ステップマンモス)はやはり巨大だし、松花江マンモスはこれをさらに上回る大きさだ。

コビトマンモス

企画展と直接関係ないが、ちょっと気になるのが、一番右のコビトマンモス。ポニーのように小さいのに、立派なマンモスらしい牙が生えているというなんとも可愛らしい姿。

島に住んでいたマンモス。島に棲息する動物は限られた食料のため、小型に進化するのだ(ウサギ以下の大きさの動物や、爬虫類などは逆に大型化する)。

つい3700年前まで、ロシアのウランゲリ島に棲息していたらしく、まだどこかの島に生き残っていないだろうか。パンダを圧倒的にしのぐ大人気動物になるに違いない…。

参考HP コビトマンモスhttp://paleontology.sakura.ne.jp/kobitomanmosu.html

毛サイの骨格標本

毛サイの骨格標本
毛サイの骨格標本

年代:19,000年前
発掘:1972年
発掘場所:サハ共和国 チュラプチャ地区 チュラプチャ村

毛サイの体毛

ケナガマンモスに比べると色が淡い。図鑑などで見る毛サイの想像図は赤茶色ぽい色で描かれることが多いので、意外だった。

毛サイの想像図

ステップバイソンの骨格標本

ホラアナライオンの頭骨と、幼獣の骨格標本

ホラアナライオン
ホラアナライオン
ホラアナライオンの頭骨
ホラアナライオンの頭骨
ホラアナライオンの幼獣
ホラアナライオンの幼獣

シベリアで発掘された各種動物の頭骨

ヒグマ

オオカミ

ユキウサギ

ウマ

クズリ

シベリアビッグホーン

マンモスを狩る狩猟具

永久凍土で待つもの

ここからが、本企画展のメイン。これまでは主に、各地の自然史博物館にもよくある化石を扱ってきたが、ここからは、永久凍土で長い期間、毛や肉体も綺麗な状態で保存されていた動物たちが、冷凍室に入れられて展示されている。

永久凍土のある場所

永久凍土とは、シベリアや北米大陸のアラスカやカナダ北部など、北半球の陸地の約20パーセントを占める凍った大地で、「2年以上0度以下の状態が続いている土や地盤のことをいう。

「氷漬けのマンモス」などというが、マンモスが閉じ込められていたのは「氷」ではなく「凍った土」ということだ。

シベリア東部には、第四紀のはじめ(200万年以上前)にできた永久凍土がある。西部は1万4000年前にできた比較的新しい永久凍土である。

動物は永久凍土で保存される

これらの永久凍土から、泥流に巻き込まれて生き埋めになったり、雪に隠れたクレバスに落ちたりした動物たちが見つかる。

永久凍土の中では、腐敗の原因になる湿気がまわりの氷に吸収され凍り付き、乾燥状態になり腐りにくくなるというわけだ。

さらに永久凍土の中に含まれるマグネシウムや鉄分の影響もあり、皮膚や筋肉といった組織が4万年以上も保存されているのだ。

永久凍土から発掘された冷凍標本の動物たち

ケナガマンモスの皮

ケナガマンモス(Mammuthus primigenius)の皮

年代:3万1150年前
発掘:2018年8月12日
発掘場所:サハ共和国 ベルホンヤンスク地区 ユニュゲン

3万年前のケナガマンモスの皮。この皮は、マンモスの牙を探す現代の「マンモスハンター」たちが掘っていた穴の中から出てきたという。

マンモスハンターとは、象牙の代わりに中国などで高価で売れるマンモスの牙を探す人たちのこと。限りある化石が商業的に消費されてしまうのは残念に感じるが、一方で、このような発見のきっかけにもなりうる。

金が無ければ人は動かないし、動けない。その意味ではなんとも複雑な心境ではある…。

この皮は、マンモスのお尻の部分にあたり、2018年8月に発掘された。大きさは180cm×138cm。

50~60歳のオスのマンモスだったようだ。

仔ウマ「フジ」

レナウマ(奇蹄目ウマ科 Equus lenensis)の冷凍標本、フジ
レナウマ(奇蹄目ウマ科 Equus lenensis

年代:4万1000年前~4万2000年
発掘:2018年8月
発掘場所:サハ共和国 ベルホンヤンスク地区 バダガイカ・クレーター

約2000年前に絶滅したレナウマ(奇蹄目ウマ科 Equus lenensis)という種の、オスの冷凍標本。

前項の写真の「バダガイカ・クレーター」で発見され、フジと名付けられた。

フジは、皮膚や内臓まで、すべてそろっている。このような完全な形で発掘されたのは世界で初めてとのこと。

足の毛がふさふさで、シベリアの寒冷地用に適応した特徴がみられる。

フジは解剖調査され、古生物学史上初となる「液体の血と尿」の採取に成功したという。

ちなみに「フジ」という名前は、フジテレビが見つけたからだそうだ。

1万2450年前のペット?の仔イヌ

イヌ(食肉目イヌ科 canis lupus familiaris)

年代:1万2450年前
発掘:2015年8月
発掘場所:サハ共和国 ウスチ・ヤンスク地区 スィアラアフ川流域

こちらのイヌも、胃・腸・肝臓・心臓もきれいに残っており、胃の中には食べた草も入っていたという。

また、この仔イヌが見つかった場所の近くから、マンモスが焼かれた遺跡が見つかっており、飼いならされった子犬の可能性もあるそうだ。

ライチョウ

カラフトライチョウ(キジ目ライチョウ科 Lagopus lagopus)

年代:1600年前
発掘:2016年8月
発掘場所:サハ共和国 ベルホンヤンスク地区 ユニュゲン

ユカギルバイソン

ステップバイソン(鯨偶蹄目ウシ科 Bison priscus)

年代:9300年前
発掘:2011年8月
発掘場所:サハ共和国 ウスチ・ヤンスク地区 ヤナ・インジギルカ低地チュクチャラフ湖

体勢が、苦しんでいるようにもみえる。泥沼にはまって苦しくてもがき、そのまま絶命し、そのままの姿で永久凍土に閉じ込められたのだろうか?

この表情……

音声ガイドでは、「苦しんでいる顔」と説明されていた。

ケナガマンモスの鼻

ケナガマンモス(Mammuthus primigenius)の鼻

年代:3万2700年前
発掘:2013年9月
発掘場所:サハ共和国 ノボリビルスク諸島 マールイ・リャホフスキー

65歳~75歳くらいのメスのケナガマンモスの鼻。

マンモスの鼻には骨が無く、切れて流されてしまったり、動物に食べられてしまったりするので、今まで見つかることはほとんどなかった。

なので、18世紀頃の骨から描かれた復元図では、以下のように鼻の無い姿で、巨大なネズミ・モグラだった、とも考えられていたそうだ。

また、鼻の先端の上側が尖っていることもわかり、器用に草などをつかんで食べることができたと

マンモス復活プロジェクト

もう一つの目玉は、冷凍標本から得られた組織を使って世界各国で研究が進む「マンモス復活プロジェクト」についての展示。
近畿大学生物理工学部の研究を紹介し、最先端生命科学の“今”とこれからの生命科学のあり方について考えていきます。

ここについては、パネル展示で、研究者たちの汗と涙の結晶がわかりやすく漫画形式でまとめられているので、企画展に実際足を運んで、パネルを読んで欲しい。

ユカギルマンモス

さて、本企画展の大トリは、2004年に愛知万博にもやってきたユカギルマンモス。2005年にも、お台場にきたことがある。

ユカギルマンモス

年代:3万2700年前
発掘:2013年9月
発掘場所:サハ共和国 ノボリビルスク諸島 マールイ・リャホフスキー

残念ながら撮影は禁止だが、標本展示の奥に、レプリカがある。ここで記念写真等を撮るといいだろう。

ユカギルマンモスのレプリカ

出口

イメージキャラクター・マツコ・デラックス

マンモスとマツコ・デラックス
マンモスとマツコ・デラックス

プロモーションでは、イメージキャラクターのマツコがかなり前面に出ていたように思えたが、

企画展では、このマツコが倒れている写真だけしか登場せず、音声ガイドなどにも登場しなかった。

想像以上にマツコ色は少ない。マツコさんもお忙しいので、この写真撮影の時だけ、体を貸したのだろう。

原始人の恰好でマンモスと記念写真

企画展を出てすぐのところに、原始人の服を着て、武器を持って、マンモスの絵と一緒に記念写真が撮れるスペースがある。撮影用スタッフさんが常駐している。服は子供用もあるので、家族で記念写真を撮ることも可能。

マンモス展のグッズ

いよいよお楽しみのお土産のグッズコーナー。企画展はささっと切り上げて、グッズを買いあさることが目的の人も、結構いるのではないだろうか…?。

どんなグッズがあるのか、ざっとあげておくので、オリジナルグッズこそ企画展の醍醐味!という方はぜひ参考にしてほしい。

マンモスの下あごの化石 764,000円

本物のマンモスの下あごの化石。764,000円。高い!が、限りあるマンモスの化石を自分の所有にできると考えれば、人によっては高くないのではと思う。

ポストカード

あまりお金を使いたくない庶民は、記念にポストカードを買うのがいい。

「ユカギルバイソン!ベストスマイルです」

企画展の音声ガイドでは「苦しんでいる顔」って言っていたはずだが…

【食事】7階レストラン「Miraikan Kitchen」

日本科学未来館の7階に、レストラン「Miraikan Kitchen」がある。

メニュー

レストラン「Miraikan Kitchen」メニュー

スイーツとして、マンモスの形につくった「マンモスモンブラン」もメニューに載っていたのだが、coming soonとなっており、初日6月7日時点では、こちらはまだ注文できないよう。

マンモス展限定メニュー「雪原カレー」を注文してみた

マンモス展 雪原カレー
雪原カレー

雪原に生きるマンモスをイメージした、マンモス展限定メニュー「雪原カレー」 1,020円。

ハンバーグなど通常メニューと比べて200~300円は高い。

少々値段が張るが、ここはせっかくマンモス展に来たので注文してみたい。

無料で水が飲めて、ドリンクバー(200円)注文しなくて大丈夫なので…

ホワイトカレーで雪原を、ブロッコリーで木を、竜田揚げで岩を表現している。

味の方は、ホワイトカレーといった感じで、クリームソースと適度な辛さでなかなかおいしい。ごはんが少ないので、食べ盛りの男性などには少々物足りないかもしれないが、竜田揚げのボリュームに助けられる感じ。

ちなみに、ごはんの上に乗っているマンモスのプレートは、てっきり発泡スチロールでできた食べれない飾りだと思っていたのだが、これも食べられるので間違えて捨てないように!まあ特別美味しいモノでもないのだが…。

2歳の娘のおもちゃにいいかと思って持ち帰ったが、赤ちゃん用のお菓子「ハイハイン」などと似たような触感。

娘はマンモスの絵柄にさほど喜ぶこともなく、淡々と食していた。

これ、食べられます!

日本科学未来館は、食事ができるスペースが豊富なので、節約したい方はお弁当持参でもよいだろう。

おわりに

初日にいったマンモス展のレポートはこれでおしまい。感想としては、やはり冷凍標本やミイラといった、肉体が残っているものは化石よりも見ごたえがある。

また、状態のよい標本から遺伝子を採取し、マンモスを復活するという話が、かなり現実的に感じられた。

夢があり、とてもワクワクさせてくれる。

恐竜に比べるといまいちマイナーな古代哺乳類たちだが、現存の哺乳類たちと深いつながりがあり、マンモスなどは人類が文明を持つ直前まで地球に存在した、手の届きそうで届かない、なんともいえないもどかしさがある。

古代哺乳類は魅力的だし、もっと盛り上がっても良いのでは、と常日頃に思っている。

今回の企画展「マンモス展」に、一人でも多くの人が足を運び、古代哺乳類に興味を持つきっかけになってくれることを願う。

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